なぜ地方税増税?
2011.11.22
私にはどうしても納得のいかない問題です。
「大震災の復旧復興のための財源として」と表現していることがたくさんみられます。
本当に復旧復興のためであれば、東北を中心にした被災地にお金が回るのですから、広く国民が負担する国税だけで十分で、北海道から沖縄までの地方になぜ多くの税を支払う必要があるのか全く説明されていません。これでは便乗増税ではないのか?と思ってしまうくらいです。
では、地方税増税をする根拠は一体どこにあるのか?探してみました。
東日本大震災復興対策本部のページ
この復興対策本部に地方税の考え方に関する記述があります。
復興・B型肝炎対策財源としての税制措置の「複数の選択肢」(地方税)
ここには以下のように書いてあります。
–地方税における時限的な税制措置の考え方について–
地方税は、各地方団体が当該地方団体における行政サービスを提供するために徴収するもの。この「受益と負担の関係」が地方税の最も根幹的な原則である。
一方で、今回の東日本大震災のような未曾有の国難に際しては、地方税においても財源確保を検討することが必要。
まったく意味がわかりません。財源確保のための明確な理由がなく、話になりません・・・。私だったら「要推敲」として再提出させます。
腑に落ちないでいるところ、同じところに本来の意図が書かれていました。
参考資料(地方税)(試算の前提等)
ここには、このように書いてあります。
地方税においては、個別税目ごとの特徴や税収、我が国経済との関係に留意しつつ、復旧・復興事業 19 兆円程度のうち、全国の地方団体で行われることが予定されている緊急防災・減災事業の地方負担分等(0.8 兆円程度(推計))について、財源手当を国に依存するのではなく、地方税において復旧・復興のための時限的な税制上の措置を講じることで地方団体自ら財源を確保するとの観点から、税制措置を講じる税目や税制措置の期間を設定した。
「防災・減災事業の地方負担のために財源が必要」ということです。
「被災地の復旧・復興事業」に「全国の防災・減災事業」をセットにしています。財源確保が難しい中、この2つを同じテーブルにのせるのは違和感があります。
8カ月も経っているのに、がれき処理の見通しが立っていません。選択と集中の観点から復旧復興に集中してもらいたいと思います。