錬金術が失敗した理由

2009.08.11

錬金術は人間の手で金(gold, [Au])を生み出すための試みです。
「生み出す」とは抽象的な言い方で、もう少し細かく表現すると「元素を作り出す」ということです。
古来、多くの錬金術師たちが挑戦し、だれも実現できなかったそうです。
なぜか?昔のNHKスペシャルでこのことが詳しく紹介されていました。

元素記号は水素[H]、ヘリウム[He]・・・と質量順に周期表にあります。
これらの元素は、ほとんどが地球で作られたものではありません。
「元素を作る」ためには、元素を構成する原子核が合成されなければなりませんが、この原子核合成を発生させるには膨大なエネルギーが必要になるそうです。
例えば、平常時の太陽の中心部で作れる元素はヘリウムまでで、さらに大きな質量の元素を生み出すには太陽のエネルギーでは足りません。
番組では水素からヘリウムを作るアメリカの施設を公開していましたが、この施設では50兆Vの電流を針の先に集約し、複数の針の先端を一点に集めることで高圧力・高エネルギー状態を発生させていました。
これでやっと微々たる量のヘリウムが作り出せます。
現在の人類の扱えるエネルギーではヘリウムの壁を越えられないそうです。
「じゃあ金はどうやってできたの?」と疑問の方は下のリンクを見て下さい。

Wikipedia 宇宙の元素合成
NHKスペシャル「宇宙 未知への大紀行」 第5集 150億年の遺産

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