FTTHに代わるブロードバンド
2008.11.21
現在、ブロードバンドといえば、ADSLよりもFTTH利用者のほうが多くなっています。
FTTH(光接続サービス)の契約数は1,375万件となり、08年3月末時点より158万件の増加となった。一方ADSLに関しては、1,195万件と、08年3月末より75万5,000件減少する結果となった。(MM総研 ブロードバンド回線事業者の加入件数調査)
ブロードバンドの利用として広がりを見せたADSL。2008年の3月末時点で契約数が光接続よりも少なくなり、ブロードバンドの主役はいまや光接続となっています。しかし、この契約数の増加傾向も鈍化しています。
その原因にあるとされているのが、
- ADSLからの取り込みが落ち着き始めた
- モバイル・ブロードバンドと低価格ノートパソコン(ネットブック)のセット販売が、従来のFTTH回線とパソコンのセット販売と競合
- 新規顧客獲得やADSLからの乗り換えが進まなかったこと
- 解約数の増加
とあるようです。(MM総研)
この中で注目するのが、「モバイルブロードバンドと低価格ノートパソコンのセットが競合している」というもの。以前私が書いたブログでは、コンピュータリテラシーの高いユーザーが買い増しに使っている、ことになっています。そうすると、FTTHとパソコンのセット販売は競合ではなくなるのではないかと思います。むしろ、市場は飽和状態でADSL利用者が光接続へ変更しないことが鈍化の原因のように思います。
また、ヘビーユーザーの利用増によって、帯域が圧迫され思ったほど速度がでず、接続料金が値上げされ、不満も多いようです。(自宅のネット回線「光」が「ADSL」に肉薄――ネット環境に関する調査)
さて、この頭打ちな市場にあたらしく、無線ブロードバンドWiMAXが投入されようとしています。この規格、携帯電話がガラパゴスであると揶揄され、世界に発展できなかったモバイル機器市場の反省を経て、国家レベルで韓国、台湾と協力し世界を視野に入れた活動を行っています。
無線ブロードバンドは日本の高機能な携帯端末をフル活用でき、ノートパソコン、スマートフォン、携帯電話の垣根がなくなるような、あらたな価値を生むものかもしれません。10代、20代前半の世代はインターネットはPCではく、ケータイから利用する場面が多く、特に女性のケータイ利用が多い調査もあります。
どんなことができるだろうか、ビジネスにできるだろうか、楽しみな動きでもあります。