エレベータとゲーム理論
2012.06.08
先に何が言いたいかを言っておきます。
「健常者は、エレベータの車いす専用ボタンを使用するべからず」
これには合理的理由があります。
車いす専用のボタンは以下の仕様で設計されています。
車いすを利用する方が安心して使用するためです。
東芝エレベータ 車いす兼用エレベータ仕様
–車いす専用のかご操作盤–
車いすに乗ったままで、エレベータを操作できるように腰の高さあたりに設置されています。
–ミラーの設置–
1つしか出入口がない場合、エレベータを降りるときにどうしても後ろ向きになってしまいます。
このとき、ミラーがあれば、後ろを確認できます。
–戸開放時間の延長–
安心して乗降できるように、開放時間を長く取ってあります。
–車いす専用のりばボタン–
車いす用のエレベータが、その階に停止するようになります。
など、いろいろ配慮されています。
最近は2其のエレベータが設置されている建物が多く、健常者が「普通ののりばボタン」と「車いす用のりばボタン」の両方を押しているのをよく見かけます。
このとき、普通のエレベータに乗ってしまうと、車いす用のエレベータは乗る人がいない状態で停止階へ向かってしまいます。
早くエレベータに乗って移動したい気持ちは分からなくもないですが、
他の階で乗ろうとする人は待たされ →
イライラして車いす優先のボタンを押してしまい →
また他の階の人は待たされる・・・
と悪循環に陥ってしまいます。
みんなが自分に有利なように行動してしまうと、結果的に全体として最適な状態にならない。
ゲーム理論を知っていれば、車いす優先のボタンを押すことはないと思いますが・・・
注意したいものです。